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バチカン市国  

  自由に真理を求めて ― 平和に生きるキリスト教信奉者と仏教信奉者  

   

敬愛する仏教信奉者である友人の皆様へ  

 

1.教皇庁諸宗教対話評議会から灌仏会(花祭り)を祝う皆様に、今年も、心から慶びのご挨拶を申し上げます。恒例のこの祭が全世界の仏教信奉者である皆様に平安と喜びをもたらしますようにお祈り申し上げます。  

  2.従前同様に、双方の団体のつながりが深まることを願い、わたくしの考えを述べさせていただきます。まず、平和と真理と自由の関係について思いを馳せます。真正な平和を追求するとき、真理の探求が必要条件になります。すべての人は、真理を追求し、真理に服し、真理に自由に従って生きる本分と義務を負っています  

(第二バチカン公会議「信教の自由に関する宣言」1 参照)。 この真理探求の 努力は諸宗教信奉者間の相互理解を深め、相互貢献について積極的評価を高める機縁になります。  

3.真の自由と精神的価値を阻害する世俗主義と原理主義が目立つ現代世界において 、 諸宗教対話はすべての人びとの幸せを求めて共に生き共に働く「王道」 を発見するための対案になるとは考えられないでしょうか。教皇ベネディクト十六世は、「教会にとって異なる宗教信奉者間の対話は、共通の善を求める人々に重要な協力手段を提示する」(「2011年世界平和の日メッセージ」11)と述べています。このような対話は、良心の自由と信教の自由に関する基本的人権を尊重させる強力な刺激にもなります。信教の自由が認められると、真実、善、良心が何であるかを探求することによって、また市民社会制度を強化し、正義と平和を確立することによって、人間の尊厳も基本的に尊重されることになります(同上 5)。  

  4.敬愛する友人である仏教信奉者の皆様、灌仏会が、精神的豊穣の源泉となり、また苦しむすべての人々と苦しみをともにし、たがいに和を生きる努力をしながら真理と善を求める心を新たにする機会となりますように祈ります。あらためてもう一度、灌仏会を祝賀申し上げます。  

      

諸宗教対話評議会会長  

ジャン・ルイ・トーラン枢機卿

      

 事務局長   

ピエール・ルイジ・チェラータ大司教      

 

      

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